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彼岸

お彼岸の基礎知識 「お彼岸ってなに?」

「暑さ寒さも彼岸まで」といい、一年中で最も良い季節にお彼岸の日があります。
お彼岸は春と秋の年2回、3月の春分の日と、9月の秋分の日を「中日」として、その中日の前後3日ずつを合わせた1週間を「彼岸」といい、お彼岸の初日を「彼岸入り」、そして終日を「彼岸明け」といいます。

伝統風習「お彼岸」が初めて行われたのは806年(大同元年)のことです。仏教において「極楽浄土」は西にあると考えられています。春(3月〜4月ごろ)と秋(9月〜10月ごろ)は、太陽が真東から昇り、真西に沈むことからその時期に極楽浄土に想いをはせたことがお彼岸の始まりだと伝えられています。太陽が真東から昇り、真西に沈む春と秋が「極楽浄土とこの世を最も通じやすくする日」と考えられています。
お彼岸イメージ画像
「彼岸」とは仏教用語です。古代インド語の「パーラミター」を「到彼岸」と訳したことに由来します。もともと極楽浄土という真実の理想の郷(悟りの世界)を意味しており、迷いや苦悩に満ちたこの世の「此岸」(しがん)に対して、理想の彼方のところ(彼)をさす言葉です。
仏教では、悟りをひらいた人は、彼岸にたどり着くことができるとされています。このことからも、仏教行事のなかでも、もっとも仏教思想をふまえた行事ということになるでしょう。しかし、彼岸の行事は、仏教発祥の地であるインドにも、中国にもない、日本独特の行事ともいえます。また、この教えの中では、彼岸に到着するために、「六波羅蜜」という6つの実践方法をすすめています。

1. 布施(ふせ)
自分の持っているものを他の人に感謝の心で施し(ほどこし)与えること
2. 持戒(じかい)
戒(いましめ)を守ること
3. 忍辱(にんにく)
不平不満を言わず、苦しいことや難しいことなど人生において苦痛と感じることに耐えること
4. 精進(しょうじん)
努力すること
5. 禅定(ぜんじょう)
どんな事があっても常に心を平静に保ち、動揺しないこと
6. 智慧(ちえ)
目の前の事に囚われず、真実の姿を見つめ、智慧を働かせること

すなわち、お彼岸にお仏壇やお墓を美しく整え、花や水を供えると共に、故人の好物をお供えし線香や灯明をあげえるのは、実はすべて六波羅蜜を実践していることなのです。
お彼岸は自分自身がこの六波羅蜜を実践できているかを見つめ直す期間でもあります。
日頃忙しく、中々自分を見つめ直す機会がない方は、是非お彼岸にご先祖様の供養とともに自分自身を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

お寺様ですることは?

読経イラスト
お寺様ではお彼岸の間、「彼岸会」を営んでいて、そこで読経やご法話などが行われています。お墓参りの折には、彼岸会にも参加して御供養をお願いしてもらいましょう。

お彼岸には一体なにをするのでしょうか?

お盆や年忌法要のように特別なふるまいをする必要はありません。ご家族揃ってお墓参りをするのが一般的です。普段以上に丁寧にお墓の掃除をすることなどが、ご先祖様への供養になります。
お彼岸のお墓参りは、お彼岸の7日間のうちであればいつでもかまいませんが、できればご家族が揃っていかれる日を選びましょう。家族みんなでお墓参りをして、お墓のお掃除をし、お花やお線香などをお供えします。ご先祖様に手を合わせて感謝の気持ちを伝えることが大切です。
また、お寺様にお墓がある場合は、「お供え物」程度は持っていき、まずはお寺様の本堂のご本尊様にお参りをすませてからご先祖様のお墓に向かうのが普通ですが、時間がないようでしたらせめて、お寺様にご挨拶をしてから帰るくらいの心配りは忘れないようにしましょう。

お墓参りのしかた

お墓参りには特別の作法はありません。とにかくお墓の掃除から始めることです。墓石に水をかけて汚れを流し、布で丁寧に拭きます。汚れが落ちない部分は、歯ブラシなどで墓石を傷めないようにこすると良いでしょう。ご先祖様も汚れたお墓よりもきれいなほうが気持ちいいでしょうし、汚れたものをきれいにするのは道理です。
水鉢もきれいに洗い、新しい水をそそぎ、掃除が終わったら、花を飾り、ロウソクを灯したり、お線香を立てます。
合掌礼拝のまえに、水桶からひしゃくで水をすくって墓石にかけます。このとき、遠慮がちに墓石の下のほうだけさりげなくかける方がいらっしゃいますが、堂々と墓石の上からたっぷりとかけてください。なぜなら、この水は餓鬼に施す水でもあるからです。水を飲もうとして口まで持っていくと水は火に変わってしまい、なかなか水の飲めない餓鬼でも、お墓にかけた水だけは存分に飲めるといわれています。そうした餓鬼をあわれんで水を施し与えようということから、墓石に水をかける習慣が始まった、と考えられていますから、同じ施すのなら、たっぷりと施しましょう。

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お供えものは、おはぎが定番ですが、故人の好物やお酒も良いでしょう。置いたままにするとカラスや猫に荒らされる可能性があるので、お線香をあげたら持ち帰りましょう。

お墓参りの必需品

掃除用のブラシやほうき・バケツ・雑巾・念珠・マッチ・ロウソク・線香・半紙・お供え用のお花・菓子・果物など、水桶とひしゃく、その他など。これらはお寺で貸してくれるところもありますし、大きな霊園では、売店や管理事務所で貸したり、販売しているところもあります。ですが、お寺様はお墓参りの道具を借りるところではありません。事前に調べて忘れ物のないように用意して行きましょう。
尚、真宗では、お彼岸として悟りに至るための修業はせず、日本古来からのこのお彼岸の行事を「悟りの世界(お浄土)へ到らしめてくださる如来様のお徳を讃え、そのお心を聴聞(ちょうもん)させていただく仏縁」として大切にしています。
*地方の週間や宗派により異なります。詳しくはお寺様または、当店にお尋ねください。

ご自宅にお仏壇がある場合は、お仏壇にもお供えをしましょう。

彼岸の入りには、ご自宅のお仏壇の中やまわりをいつもより丁寧に掃除してお花やお線香はもちろんのこと、故人の好物、季節の果物や五目寿司、「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えすると良いでしょう。

おはぎイラストあんこに使用される小豆は「悪いものを追い払う効果がある」と昔から伝えられていることから、「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えする風習ができました。
どちらも、もち米を蒸したものを丸めてそれに甘く煮た小豆をからめたものです。
呼び方の違いは、春彼岸にはボタンの花をかたどって丸く大きめに、秋彼岸には萩の花をかたどって小ぶりで長めに丸めてつくり、春は「ぼた餅」、秋は「おはぎ」と呼んだと言われています。
日本人の季節に関する繊細さが美しく表現されています。

近頃では、お彼岸のお供え物も買い求めてしまうことが多いようですが、できればご家庭でつくり、お仏壇に供え、お墓に供え、近隣の人、友人知人にも配りましょう。これはまさに自分の持っているものを他に分け与え、共に喜ぶという、お布施の精神そのものです。

お墓がなくても、お彼岸にはお参りする心がけを

お墓イラスト昔からお彼岸には、自分の家のお墓だけでなく、親類、縁者、知人などの家のお墓にお参りする習慣があります。平素ご無沙汰しているお世話になった方のお墓、亡き恩師のお墓など、先方には黙ってお墓参りをしてみてはいかがでしょう。

お彼岸にはご先祖様の御供養とともに、ご自分の浄土への願いも込めて、春分、秋分の日には、ご家族揃ってお墓参りをして、今日ある幸せを感謝しましょう。


*宗派及び地域習慣により作法等が異なる事があります。詳しくはお寺様または当店にてお尋ねください。