ご購入時のチェックポイント 唐木仏壇

ご購入時のチェックポイント 唐木仏壇

唐木仏壇の品質について

唐木仏壇とは、その昔、唐(中国)から輸入されるようになった木材、(黒檀、紫檀、鉄刀木など)を使って作られたお仏壇の総称です。当時は非常に入手困難で高価な材料であったこと、そして非常に硬く丈夫で、木目が非常に美しいことなどの理由から、日本でも高級家具や建築、お仏壇などに使用されるようになりました。近年では材料の枯渇や輸入制限などの問題もあり、入手が困難で価格が高騰している木材もあります。下記の内容をご参考にお選びください。

芯材

芯材とはお仏壇の表面ではなく、表からは見えない中身(骨組)に使用されている材料のことです。唐木仏壇の芯材には主に天然木材、天然合板またはパーティクルボード(MDF)が使用されています。パーティクルボードとは、木材の切削片や粉砕片に合成樹脂塗料を混ぜて熱圧し、成形された人工木材のことです。安価で加工性に優れ、狂いが生じにくいなどの利点がありますが、粉砕片が細かいほど、生木本来の性質が失われ、水に弱く、また釘やネジの保持力が弱いという欠点もあります。主に安価品に多く使用されています。それに対し、天然木材は充分に乾燥させた材料でないと、狂いが生じ易いなどの欠点がありますが、耐水性や釘、ネジの保持力が強く、耐久性に優れています。天然合板は天然木材を剥ぎ合わせた板のことで、天然木材よりも耐久性は劣りますが、狂いが生じにくい為、お仏壇の天井や側面、棚板など、薄くて面積の広い部分に適した材料です。
パーティクルボードはMDF、木質繊維板、圧縮ボードと表示されていることもあります。

芯材写真

材質

唐木仏壇に使用される材料は、黒檀、紫檀、鉄刀木(タガヤサン)、ケヤキ、屋久杉、槐(エンジュ)、楡(ニレ)などです。木目が綺麗で希少価値のある材料ほど価格は高くなります。中でも特に高価な木材は、本黒檀、本紫檀、屋久杉などです。また、栃(トチ)のトラ杢やケヤキの玉杢など、珍しい木目の材料も高価です。
また安価品では、上記のような木材を一切使用せず、印刷またはプリントで仕上げられたものがあります。本物そっくりに仕上げられていますので、注意が必要です。黒檀調のように○○調と表記されています。

唐木材質-2写真


黒檀と紫檀について
本黒檀、本紫檀は東南アジアやインドからの輸入材で、木目が美しく、非常に硬く、耐久性に優れた木材ですが、近年は入手困難で非常に高価な木材です。ですから代用材として本黒檀、本紫檀によく似た木材も多く使用されるようになりました。材質(木材)の違いで下記のように細かく分類されており、価格差も大きいのでご注意ください。

本黒檀・・・インド黒檀またはスラウェッシ黒檀(インドネシア)  
       ※非常に高価(入手困難)
黒檀・・・・カリマンタン黒檀、アマラ黒檀、マルク黒檀      
       ※本黒檀の代用材として多く使用されています。

本紫檀・・・パイオン、インドローズ、ココボロ               
       ※非常に高価(入手困難)
紫檀・・・・チンチャン、ホンジュラスローズ、ソノケリン、カリン
       ※チンチャン、ホンジュラスローズは高価(入手困難)
       ※ソノケリン、カリンは近年多く使用されています。   
紫檀系・・・パーロッサ、ブビンガ、グラナディロ
       ※紫檀の代用材として多く使用されています。

唐木材質-1写真

加工

上記の木材をさまざまな方法で加工して使用しています。より多くの木材を使用するほど、耐久性がよくなり価格も高くなります。

その加工方法には次のような種類があります。

■印刷
芯材に本物そっくりな木目を印刷したもの。または印刷した紙を貼ったもの。
(黒檀調プリントのように、○○調プリントと表示されています。)

■着色
芯材に木目を印刷せず、着色だけを施したもの
(紫檀調着色のように、〇○調着色と表示されています。)

■薄板貼り
高級木材を薄くスライス(0.1〜0.8_程度)して芯材に張ったもの。
(黒檀薄板貼りのように、〇○薄板貼りと表示されています。)

■厚板貼り(練り)
高級木材を3〜8_位の厚みに加工し、芯材に貼り合わせたもの。
(黒檀厚板貼りのように、〇○厚板貼りと表示されています。)

貼り合わせた面の数に応じて「一方厚板貼り」「二方厚板貼り」「三方厚板貼り」「四方厚板貼り」があります。これらの技法のうち、三方厚板貼り・四方厚板貼りなど、より材料を多く使用しているものほど、ずっしりとした重量感があり、耐久性に優れた高級品です。
※厚板貼りを「練り」と表示されている場合があります。「一方練り」「二方練り」など

■無垢
無垢材をそのまま使用したもの。または無垢材のみを貼り合わせた「寄木」を使用したもの。
薄板貼りや厚板貼りのような板材を貼り合わせるのではなく、高級木材をそのまま使用したものです。
非常に多くの材料を使用するので大変高価ですが、ワレや狂いが生じ易い為、注意が必要です。

加工説明画像

塗装

唐木仏壇に使用されている塗装はラッカー塗装、ウレタン塗装、摺り漆、の主に3種類です。

■ラッカー塗装
ラッカー塗料は薄く塗装することができるので、木材の質感を出す場合などに使用されます。

■ウレタン塗装
ウレタン塗料はラッカー塗料に比べ、被膜が厚くキズやよごれが付きにくいので、唐木仏壇ではもっともポピュラーな塗装方法です。

■摺り漆
天然の漆を木材に摺り込んで仕上げる塗装方法です。伝統工芸品などに使用される高価で耐久性に優れた塗装方法です。非常に手間と時間が掛かる為、現在は一部の最上品にのみ施されています。

唐木-塗装写真

彫刻

唐木仏壇には草花や鳥などの彫刻が施されています。その彫刻に使用されている材料がお仏壇の表面と同じ材料かどうかをご確認下さい。高級品の場合は必ずお仏壇本体と同じ材料を使用し、細かく繊細に彫刻されています。普及品ではお仏壇と同じ材料ではなく、比較的安い木材を彫刻しています。着色すると、見た目には分かりにくいのでご注意ください。

唐木彫刻-欄間写真

原産国

唐木仏壇にも、国産品と海外製品があります。国産品は徳島県、静岡県、福島県、東京都、大阪府などで製作されています。海外では、中国、ベトナム、カンボジア、インドネシアなどで製作されています。当然、人件費の安い海外で製作されたお仏壇の方が安価です。



以上のように、唐木仏壇にはいろいろな材料や製作方法があります。ですが一般のお客様にこの品質の違いを見極めることは難しいと思います。ネットショップやカタログ販売などで簡単に購入する方法もございますが、信頼のおけるお仏壇専門店で品質や耐久性などを充分にお確かめの上ご購入されることをお勧めいたします。

仕上げ


同じ品種の材料でも、木目や品質に違いがあります。たとえば同じ紫檀の材料でも、色が違ったり、節があったり、しらた(色の白い木目)があったりします。非常に高価な材料ですので無駄なく使用したいので、木目の違いや材料の違い、節やしらたが目立たないように一般的なお仏壇は材料を着色して使用しています。

節やしらたがなく、できるだけ木目や色の揃った材料を選別することで、ほとんど着色せずに仕上げられた最高級品もございます。


着色比較画像

唐木仏壇商品一覧

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