お仏壇の必要性
〜どうしてお仏壇が必要なのか〜


本来、お仏壇はご本尊をお祀りする為のものですが多くの方がお仏壇は「故人やご先祖様の供養の為のもの」と解釈しているのではないでしょうか。しかし「供養」するだけならお墓もあります。お仏壇とお墓の必要性、役割について不思議に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
お仏壇はそもそも仏教のものです。日本人の大半の方が仏教を信仰していると言われていますが、そんなに信仰心の強くない方も仏教に基づいた葬儀を行うことが多いです。日本人の多くはそれが当たり前であり、仏教について特別、疑問を感じたことがない方も多いと思います。
しかし、核家族化が進み家族の暮らすスペースが狭くなっていくなかで、お仏壇を置くスペースや購入費用のことを考えると疑問を感じてしまうのだと思います。また、日本では信仰する宗教を自由に選ぶことができるため、仏教を信仰していない方にとって、お仏壇は不要と感じてしまうのかもしれません。

お仏壇の必要性

お仏壇には古い歴史があります。お仏壇が祀られるようになったのは今から約1300年ほど前のことです。ただ、その頃は位の高い人だけのものでした。鎌倉時代になると、中国の祭具であったお位牌が日本に伝わりました。一般の仏教信者にお仏壇が広まったのは室町時代のことです。
室町時代に流行したのが「書院造り」の住宅であり、現在の住宅の前身となった床の間が作られるようになりました。現在も床の間の横に仏間があるように、当時は床の間に仏具を置いて礼拝していました。
そして、一般庶民にお仏壇が広まったのは江戸時代のことです。一般家庭にお位牌やお仏壇が祀られるようになり、その伝統が現在も続いているというわけです。

〜お仏壇の必要性〜

■心のよりどころ・悲しみを癒す場

お仏壇は家に祀るものです。そのため、毎日お仏壇に手を合わせることで、大切な家族を失った悲しみを埋めることのできる場所です。愛する人を失う悲しみは今も昔も変わることがありません。お仏壇に向かい、静かに手を合わせ、亡くなられたご家族に語り掛けることで、故人と会話のできる場所として、悲しみを癒す心のよりどころとしてお仏壇が重要な役割を果たしています。
また、心が落ち込んだときや塞ぎこんだときにお仏壇に向かうことで、心が落ち着き、気持ちが楽になります。

お仏壇の必要性イメージ写真

■家族という命の繋がりに感謝する場

ご先祖様がいるからこそ、今の家族が居る。そんな「家族」という命の繋がりを感謝する場がお仏壇です。命の繋がりは奇跡のようなものです。他人同士が結婚し、どんどん家族が増えていきます。今の幸せがあるのはご先祖様がいるからこそ。感謝の気持ちでお仏壇に向かってお祈りしたいものです。
また、子供のころからお仏壇に手を合わせ、ご先祖様への感謝の気持ちを育むことで、命の大切さを学ぶことができるのです。

このようにお仏壇は、仏教徒の信仰の対象だけではなく、日本人の心のよりどころとして、代々受け継がれてきたのです。