お仏壇の木地には多数の接合箇所があります。
その接合部分をより強固にするために、そして永い年月が経っても割れないように接合部分に溝を彫って(切彫)漆と木屑を混ぜたものを埋め込んでいます。
木地に直接、生漆を塗り込みます。
これは木地に漆を染み込ませて、より強固にそして上から塗る漆の食いつきを良くするためにする作業です。
木地固めが施された上に、今度は布(寒冷紗)を漆で張っていきます。
布の目の中に漆が染み込んで、木地・布・漆がひとつになってより耐久性に優れた木地が出来上がります。
輪島塗りの特有の地の粉(珪藻土)と漆を混ぜたものを何度も塗っては研ぎ、塗っては砥の工程を繰り返し堅牢な下地を施します。
非常に硬く、耐久性に優れた下地です。完成すれば見えない作業ですが、一番重要な工程です。
輪島には、砥ぎ専門の職人がいます。
何十種類もの砥石を使って、すべて手作業で塗面を平らに研磨します。決して表にはでない地道で大変労力のいる仕事ですが、製品の善し悪しは砥ぎで決まるといっても過言ではありません。研ぎ師の努力が美しい塗面をつくります。
最上質の漆を使用し、印毛で丹念に塗りあげていきます。
一定の湿度と温度に保たれた部屋で、ホコリが付かないよう細心の注意をはらいます。何度となく塗り重ねられた漆の表情はやわらかなぬくもりを感じさせます。
漆は刷毛を使って塗るため、どうしても刷毛あと(なみうち)ができてしまいます。その刷毛あとをなくすために、塗りの表面を炭で研磨して平らにし、漆を摺りこんで乾かし手のひらに磨き粉と油をつけて、手で磨きを上げます。
最上品にふさわしい深みのある艶になります。
極上研出蒔絵
何層にも色漆を塗り重ね、最後に漆を摺りこんで磨き上げる、研ぎ出し蒔絵という伝統技法で描かれています。非常に上品な美しさです。